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適法なファクタリングと違法ファクタリングの違いについて

はじめに

会社や個人事業主が事業を経営していると、「すぐにお金が必要だけれど、売上が入ってくるのはまだ先だ」という場面がよくあります。そんなときに役立つ仕組みの一つが「ファクタリング」です。ファクタリングとは、まだ支払いがされていない売上(たとえば、取引先からの請求書など)を、専門の業者に売って、すぐに現金を手に入れる方法です。

この仕組み自体は法律に認められたもので、うまく使えば資金繰りの助けになります。ですが、最近ではこのファクタリングを悪用した「違法ファクタリング」も増えていて、知らずに利用すると大きなトラブルになることがあります。ここでは、適法なファクタリングと、違法なファクタリングの違いについて、できるだけ分かりやすく説明します。

ファクタリングってどんなもの?

たとえば、ある建設会社が取引先に100万円の工事代金を請求したとします。しかし、その支払いは1か月後。会社としては今すぐに人件費や材料費を払いたい。そこで「請求書」をファクタリング会社に売ることで、90万円ほどの現金をすぐに受け取ることができます。1か月後にファクタリング会社が100万円を取引先から受け取る、という流れです。

 

図1:ファクタリングの仕組み(2社間ファクタリングの例)

[事業者] → 商品・サービスを提供 → [取引先]
    ↓ 売掛金を譲渡(例:100万円分)
    ↓
[ファクタリング会社](例:手数料10万円)
    ↓
 現金(90万円)受け取り

このように、まだ支払われていないお金(請求書)を「お金に換える」仕組みがファクタリングです。

適法なファクタリングの特徴

適法、つまり法律に違反しない形で行われるファクタリングは以下のような特徴があります。

– 請求書を「売る」契約であること
– 手数料が明確で適正
– 取引先に通知するか、通知しない場合でも法的に正しい方法を取っている
– 運営会社が信頼できる法人である

違法ファクタリングの問題点

一方、違法ファクタリングには次のような危険な特徴があります。

– 実態は借金
– 手数料が異常に高い
– 返済できないと脅される
– 会社の実態がない

 

図2:違法ファクタリングの実態

[事業者] → 売掛金を「売った」ことにする(例:50万円分)
    ↓
[ファクタリング会社] → 実際は40万円しか渡さない
    ↓
 1か月後に「50万円返済しろ」と請求

 

違法業者を見分けるポイント

以下のような特徴がある業者には注意が必要です。

– 手数料の説明があいまい、もしくは極端に高い
– 「審査不要」「即日現金化」といったうたい文句
– 契約内容が不透明で、原本を渡してくれない
– 「取引先に知られない」と言いながら、返済義務を負わせようとする
– 連絡先が携帯電話のみ、事務所住所が明らかでない

困ったときは、弁護士や司法書士に相談を

ファクタリングを利用してトラブルになった、あるいは契約内容に不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談するのが最も確実です。彼らは法律の専門家として、契約内容が適法かどうかを判断し、必要であれば無効を主張したり、違法業者との交渉も行ってくれます。

特に、以下のようなケースでは、早めの相談が重要です。
– 業者から強い取り立てを受けている
– 契約内容に返済義務が書かれている
– 手数料が高すぎると感じた
– 業者が「ファクタリングではなく借金」として扱ってきた

司法書士は、特に140万円以下の金銭トラブルに強く対応でき、金額の大きい案件や複雑な内容であれば弁護士が適しています。

まとめ

ファクタリングは本来、資金繰りを助ける有効な手段ですが、使い方や相手を間違えると、違法業者に巻き込まれて会社や経営者が深刻な被害を受けてしまうこともあります。

一番大切なのは、「ファクタリングは借金ではない」という点をしっかり理解し、契約内容がそれに沿っているかを冷静に確認することです。そして、もし不安を感じたら、早めに弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談してください。

正しい知識と行動で、安心して経営を続けていけるよう、リスクのある業者には近づかないようにしましょう。